佐賀の磐座
金立神社上宮
佐賀県佐賀市金立町大字金立3415
■徐福伝説を伝える湧出の御宝石
中国最古の歴史書『史記』によると、徐福は始
皇帝の願望に便乗し、「東方の海中に三つの神山
があり不老不死の霊薬があるので、探しに行かせ
てほしい」上奏する。当然ながら、最初はうまく
いかない。だが、始皇帝をなんとか納得させて、
2回目の船出に成功する。
『史記』には、「良家の童男童女3千人と五穀の
種、諸道具・職人を与え、東方に行かせた。徐福
は平原広沢を得てそこに止まり、王となって帰ら
なかった」と記されている。
3千人の若い男女と多くの技術者を従え、五穀
の種をもって船出し、広い平野と豊かな土地を得
て、王となり、戻らなかったというのだ。霊薬を
探すという口実ながら、秦の衰退を予見し、国を
見限り、いわば集団移住をしたのだろう。始皇帝
は、徐福が不老不死の霊薬を持ち帰ることを9年
も待ったという。徐福の思惑を考えると、待つ以
外にすべはなかったのだが、霊薬が届かぬまま、
巡視の途中、病を得て亡くなる。49歳だった。
いわゆる「徐福伝説」といわれるものだが、こ
こにいう「平原広沢」が、佐賀平野のことではな
いかというのだ。徐福に関する伝承は、日本各地
に遺されているが、佐賀地方の徐福伝承は地域の
信仰と結びついており、今日もその信仰が強く生
き続けている。
(『磐座百選』より一部抜粋)
元に戻る
copyright©2017:未来へのメッセージ舎;all rights reserved.